ストーリー 1
囚人大陸の深き森には、生まれながらにして規格外の怪力を持つ巨大な野生の虎が代々生息している。この獣たちの狩りに待ち伏せや迂回といった駆け引きは存在しない。あるのは直接的な猛攻のみ。その圧倒的な力こそが、この種族を森の絶対的な覇者たらしめていた。その群れを統率する「虎王」が、生物兵器研究の特異なターゲットとして目を付けられたのは、ある種必然であった。
ストーリー 2 🔒 1★
「虎王」の捕獲には、決して少なくない代償を支払うこととなった。さらに、血液に強化遺伝子の薬物を注入されたことで、元来の凶暴な力は数倍に膨れ上がり――今や合金製の防爆壁すら一撃で粉砕できるほどになっていた。組織は彼を「オットー」と名付け、必要時にその予測不能な暴走を強制的に抑え込むため、頭部に拘束用のアーマーを装着させた。
ストーリー 3 🔒 2★
オットーの運命は、あの野生の猿の侵入によって一変した。記憶に残っているのは、その猿が不器用にコントロールパネルを叩いていたこと、そして檻の電磁ロックが偶然、解除音を鳴らしたことだけだ。扉が開いた瞬間、オットーは咆哮を轟かせながら檻を飛び出すと、研究室全体がその声に震えた。恐怖で固まっていた猿。本来なら一口で食い殺すつもりだったオットー――だが、そうはしなかった。頭を下げ、鼻先で猿の背中を軽く押し、背に乗れと合図した。これが「オットー」と「ゴクウ」の、短い協力関係の始まりである。
ストーリー 4 🔒 3★
囚人大陸の中央平原で、新たな脅威が胎動していた。精鋭武装の狩猟部隊が、オットーの生け捕りを目的として森の奥深くへ侵攻を開始したのだ。彼らは最新型の抑制器と、巨獣十頭をも眠らせる麻酔弾を装備していた。やがて、すでに監獄長配下の闘士となっていた「ゴクウ」が駆けつけた時、対抗する力を失ったオットーはゆっくりと頭を上げた。薄れゆく意識の中で多くの記憶が混じり合っていたが、その「匂い」だけは覚えていた――かつて自分の背中にしがみつき、首筋の毛を掴んでいた、あの猿の匂いを。